今は玉ねぎ日本一で知られる北見地方ですが、その昔は世界一の生産高を誇る作物がありました。それは、「薄荷(ハッカ)」です。今日はその歴史と、北見ハッカ記念館・薄荷蒸溜館についてご紹介します。
明治35年ごろから生産が始まった北見ハッカは昭和14年に全盛期を迎え、世界のハッカ市場のシェア約70%を占めるまでに成長。現在の北見の礎を形成する重要な産業となりました。
一大生産地となった理由は、北見地方の気候がハッカ栽培に向いていたのはもちろん、当時は大豆や小麦などの穀物に比べ7倍以上の高値だったことや、蒸溜後のハッカ草が飼料や肥料に適していたなどの背景があったそうです。当時の農家にとっては非常にメリットのある作物だったのですね。
こうして約半世紀もの間繁栄を究めたハッカ製造でしたが、安価な人工香料の台頭により昭和58年、その時代に幕を閉じました。現在ある北見ハッカ記念館は、工場解体と同時に事務所だった建物がホクレン農業協同組合から北見市に寄贈されたもの。昭和61年から一般に公開されています。
また平成14年には、北見ハッカ記念館横に歴代の蒸溜機器や道具を展示する「北見薄荷蒸溜館」がオープン。ハッカ農家が取卸油をとる工程を再現・体験ができるようになりました。
館長さんの解説も分かりやすく、楽しくてとても勉強になります。館内にいるとハッカなどのとても良い香りにつつまれ、幸せな気分に・・♪ 入場料無料というのもうれしいですね~。
北見といえばハッカをイメージする方が今でもたくさんいらっしゃり、現在はほとんど作付けがないと聞くと驚かれます。ですが、施設内ではお土産にハッカ製品を購入することもできますよ(^^) 北見観光の際には、ぜひ訪れることをお勧めします。